塗料について

塗料は、塗装して初めて1枚の膜となり、建物の劣化などの外的要因から守り、かつ外観を良くする物です。
さまざまな原料の組み合わせで、塗料のそれぞれの特性が決まります。

塗料と言っても、たくさんの種類がありますが、最近では様々な機能を持った高級塗料も豊富になってきました。

例えば

・ カビや汚れを抑える効果のあるもの
・ 断熱、遮熱の機能があるもの
・ 菌やシックハウスなどに対応した環境改善できるもの

など様々な機能があります。

予算だけ考えれば、一番安い塗料を選びたい所ですが、値段は耐久性に比例してしまいます。
将来のことを考えるのであれば、ある程度の耐久性のある塗料を選んだ方が、1年あたりに換算するとお得な結果なります。

塗料の耐久年数の目安

施工が悪いと早く剥げてしまう可能性も

いくら良質の材料を使用しても、施工が悪いと良い塗膜が形成されません。
塗料メーカーでは施工の注意点を、以下のように表示しております。

メーカーからの施工注意点

・ 気温の変化についての施工
・ 下塗りと上塗りを重ねる間の時間。(インターバル)
・ 塗料を水やシンナーで薄める希釈量

これらを守らなければ、本来の機能が発揮されず、耐久性や下地との密着不良などにより、さまざまな不具合が出てきてしまいます。

※ 注意点をしっかり守っていたのに剥げてしまった場合は、塗る前の下地の問題がありえます。建築構造以外の問題であれば、下地調整をしっかりしてから塗装する事により、塗膜は長持ちします。

塗料の種類を比べてみる

塗料の種類

たくさん種類はありますが、塗料は大きく分けてまず4つに分類されます。

アクリル系樹脂塗料

・新築時に良く使用される塗料です。

・価格が安く、色の種類が豊富です。

・耐久年数が3年~5年と短いので、住宅の塗り替えには向いていません。

・店舗など、近い将来に移転の予定がある。とにかく予算を抑えたい。などの場合はおすすめです。

ウレタン系樹脂塗料

・最もポピュラーな塗料です。

・値段も比較的安価で、多方面な場所で使用出来ます。

・コストパフォーマンスに優れ、バランスのとれた材料です。

・水性塗料ですと、耐久年数は5年~8年ですが、溶剤塗料ですとシリコン樹脂塗料を変わらないぐらいの耐久性があります。

シリコン系樹脂塗料

・最もポピュラーで人気の塗料です。

・汚れ・色落ちに強く、発色性能が良い為、見栄えが良く、業者がよくお勧めしています。

・耐久性・コストパフォーマンス両面においても、バランスのとれた材料です。

・耐久年数は8年~10年と長いですが、アクリル・ウレタンに比べ若干、割高になります。

フッ素系樹脂塗料

・塗料のなかでも最高ランクの塗料です。

・耐久年数が10年~15年と長いのが特徴。

・樹脂の安定性や安全性に優れ、メーカーの長期保証が付く塗料もあります。

・何度も塗り替えを行わないので、トータルメンテンスコストを抑える事が出来ます。

・価格はウレタンの2~3倍と高額になります。

価格耐久年数耐候性防汚効果  防カビ・防藻
アクリル塗料安い 3年~5年×××
ウレタン塗料やや安い5年~8年×
シリコン塗装やや高い8年~10年
フッ素塗料 高い10年~15年

※ 耐久年数は、住宅の立地条件によってかなり差があります。
ホームページやチラシなど、もっと長い耐久年数を記載している所もありますが、実際はこのぐらいだと思います。


そして、塗料には溶剤(油性・シンナー系)タイプと水性タイプの2種類があり、溶剤タイプは1液タイプと2液タイプの2種類があります。


水性塗料と油性塗料の違い

一般的には、水性より油性の方が耐久年数に優れ、価格も高くなります。

最近は、耐久性能が長くなったと、水性塗料をお勧めしている業者も多いですが、年数の経過した塗膜の状態を見ても、やはり2液溶剤を使った塗膜の方が色あせも少なく、耐久性は高いです。

水性はサラサラしているのに比べ、油性はドロドロしていて、硬化するのも早く塗るのには、技術力が必要になります。塗りやすい水性塗料を、使用している業者が多いのはこの為です。



【耐久年数】

短い 水性1液溶剤 (油性) 2液溶剤 (油性)長い


 【価格】

安い 水性1液溶剤 (油性) 2液溶剤 (油性)高い

希釈方法

・水性 →水で希釈
・弱溶剤→塗装シンナーで希釈
・強溶剤→ラッカーシンナーで希釈

1液と2液の違い

「2液塗料」とは、2つの成分が入った塗料のことです。主材だけの塗料を「1液塗料」と呼びます。
樹脂(硬化剤)を混ぜて作る「2液」は、6~8時間以内に硬化してしまうので、使い回しが出来ず、作業効率が悪いとの理由で、1液塗料を使う業者が多いです。

 1液主材料 
2液主材料硬化剤

塗料の選択のしかた

以前に塗った塗料の種類や、建物の状態をみて塗料を選択する事が重要になります。
塗料を選択する場合、水性塗料より、溶剤型塗料の方が耐久性は上です。

ただ、以前の塗り替えが水性塗料の場合、その上から溶剤塗料を塗っても、よい塗膜が形成されない場合もあります。

施工する場合は、下地処理を変える必要があります。最近では水性塗料の中にも、溶剤型塗料よりも耐久性が上回る最新の塗料も出てきております。

新築の場合は、安価なアクリル樹脂で塗装されている場合が多いので、ほとんどの種類が適応できますが、2回目以降の塗り替えの場合は、注意が必要です。

また、ひび割れ(クラック)が多い場合などは、それに対応した弾性塗料などの選択もあります。

見積もりは同じ「シリコン塗料」でも1缶1万円以下のものから、3万円越えるものまで、いろいろな塗料が存在します。もちろん、機能性・耐候性が全然違います。

「シリコン塗料で塗ってもらえるから安心」とゆう考え方だけでは危険です!

塗料名なども聞いて、メーカーに問い合わせ、どのような塗料なのか情報を集めて比較すると確実です。